【GMキット】いずっぱこクモハ151をつくる①

2023/03/17

伊豆箱根鉄道

さあ発売になりました、新時代のエコノミーキット。

実はとっくの前に完成しており、鮮度もへったくれもないですが、ここらで製作記をまとめていきたいと思います。


ここの記事にも書いてきたとおり、当初は20m級の変なクハと混結している古めの駿豆線を再現しようとしていました。

ですが、いざ最新のキットを手にしてみると、精度や大きさがクハのベースとしていた古の板キットとあまりに違っていて、「これは無理だわ」と早々に諦め・・・。

頑張って作ってた、元からおっきいのに更におっきいクハは文字通りお蔵入りとなり、「いずっぱこ」はそのままに、車種構成を再考することに。


製品紹介ブログではないので、いきなり変な画像から。さすがに素組みでは面白くないですし、切り継ぎで中間車を作ってみます。

当初は17m電動車も駿豆線らしく変顔のにするつもりでしたが、上記のとおりクハも含めて大人しめの編成にすることに。

結果的に、路線も箱根峠を越えて大雄山線となりました。

雑多な車両の淘汰が進み、国電流れと相鉄流れの2種に整理された、昭和50年代のクモハーモハークハの3両編成でいってみましょう。


側板の切り出しにはプラ板で作った治具を活用してみました。

おそらく上手い人はカッターとかヤスリだけで綺麗に真っ直ぐ切ってくるのでしょうけれど、昔からどうにもそれが難しくて、2つを合わせた時にいつも斜めになったり隙間が出来てしまっていました。


クリップも使って側板をがっちり固定して、切断ラインと削り面がツライチになるようにして、その上からヤスリスティックで削っていきます。

こうすれば自ずと断面が決まる上に、今回のようなリベット盛り盛りの車では、その繊細なモールドを傷めずに済むという大きなメリットもあります。


ジグを考えて組み立てて・・・と時間的にはかなり回り道ですが、確実に「決まる」方法というのは結果的にはあまりストレスにならないものです。


別パーツになってるドアのおかげで位置決めもやりやすい。

側板の接着ですが、白キャップだとはみ出した時の処理が面倒なので、ここはクレオス紫キャップを少量。

補強財のように裏面にドアをかましてる上に、このあと屋根板を付けるのでここでの強度はあまり気にしなくてもいいかと思います。むしろ流しすぎは車体が歪むのでNGですね。


合間の気分転換に、屋根上もぼちぼち検討し始めます。中間モハはキット標準のグロベンではなく、カトーの各種ガラベンで。いつもどおり配管も引き直すのですが、鈎外し線は引くのが難しいのでモールドを流用します。無理せず取捨選択、だいじ。


お次はクモハの前面。端正な国鉄顔も捨てがたいですが、「いずっぱこ」らしい非貫通顔にしていきます。

位置が分かりにくくなるので、まず最初にテールライト穴を開けてから、きちんと平滑になるように全モールドを削っていきます。

そのあと、一度101系みたいに3連窓分をまとめてくり抜くとともに、けがきやすいこの段階で配管と雨樋用の穴も開けておきます。


3連窓は、エバグリプラ材でこんな構成に。

一度車体側をプラバンで埋めてからくり抜く方法のほうがメジャーかもしれませんが、垂直平行や窓寸が簡単に正確になるのでぼくはいつもこのやり方。

お好きな方でいいのかなとは思います。


不要になるドアや運番部分も埋めてこんな感じ。ずいぶんと印象が変わりましたねw


シルヘッダーや雨樋は、側面との位置関係が重要なので、車体を箱にしてから取り付けていきます。
プラ材や製品から削り出したものを、少量の白キャップで仮止め→紫キャップで本固定と、手際よく形作っていく。

雨樋は余り前面から大まかに切り出したものを、これまたお手製ジグに嵌め込み、ひたすら裏側からヤスって抽出していきます。
デザインナイフとかで切り出せなくもないですが、破損させずに確実に平面を出すのは職人技だったり・・・。素人は大人しく回り道、の精神です。

ここまで来れば、あとは普通に板キットを組む要領で。
実車にならって、クモハはリベットレスにしてあります。最新キットの繊細なモールドをひたすら削るのは、すごく罪悪感があった・・・。


加工内容は似通っていますが、クハについても少し。
プロトタイプとしたクハ183は旧30系のクハニ19の譲渡車ですので、GMのクモニと抱き合わせ商法のあのキットを使います。
・・・はいいのですが、ご存知のとおり両運転台仕様(写真上)なので、2つ買ってきて切り継いで片運転台仕様(写真下)にします。やり方は上に記したクモハと同様なので、ここでの紹介は割愛します。
にしても、おかげでクモニ13が2両も手に入ってしまったよ・・・。

このキット、顔も普通じゃなく・・・。
前面は2つ使って窓部分を交換(写真左側)、妻面も同様にしつつ、Hゴムの貫通扉を手持ちの余剰キットから拝借しました。
可部線を作られた我が師匠は元モールドを生かして窓造形を変えていましたが、そんな芸当はまだ難しいので、ぼくはあっさりリベットを諦めちゃいました。まあ塗り分け塗装だし、あまり気にならないはず・・・。

このあたりもクモハと同じ手順で造形していきます。
キャンバスおさえは、ちょうど手元にトレジャーの国電用があったので楽をさせてもらえました。


切った貼っただらけで、まさに「作る楽しみいっぱい!」といったところでしょうか。
いつもはキットを素直に組むことが多いので、こういった手探りで進めていく工作は頭の体操にもなります。

長々と書いちゃいましたので、ここらでいったん。
お次はディテール工作からをご紹介していきます。