【金属キット】京阪500形をつくる(完成!)

2022/03/18

京阪電車

 鴨川沿いのかわいい電車。


 以前から、京阪らしからぬその顔は気になる存在だったところ、近年実車資料も充実してきたので念願の着手となりました。2022年第2作目、銘わぁくすキットからの製作です。


 キットは末期の交野線4連がモチーフですが、それより10年ほど遡る、本線で他形式と混ざって繋がっていた時代をイメージして作りました。したがって中間車改造されたものは作らず、先頭2両のみの製作です。(4両も作るのしんどいからね…)


 キットでは両先頭車が1次更新車(写真の上の車両)となっていますが、せっかくなので2両で変化をつけたいので、中間車の側板を組み合わせて片方は2次更新車としています。窓寸法、窓数、ドア位置など意外と差が多くて楽しい。車体と一体エッチングの保護棒はどうしても太くなってしまい敬遠される向きもありますが、個人的には太くてもカッチリ感・安定感があるので好みだったり。


 ここからはディテール紹介。見ての通りあっさり目の作り込みとしました。縦横の雨樋はキットのモールドをうまく活かすのが難しかったので、一度全て削った上で、顔周りについてはエバグリ棒にて構築しています。前照灯は銀河、ガイコツテールはキッチンから。ジャンパ栓まわり、この時代だと本当は大きな四角い箱があるのですが、顔の可愛さに似合わず仰々しいので省略しちゃいました。


 縦樋より後ろの側面雨樋については洋白板線より。紫キャップと瞬着でも意外とスッキリ取り付けられるものです。窓サッシはいつもどおり別塗りで細くスッキリと。台車は鉄コレの鋳造弓形より。(いちかわ氏、パーツ支給ありがとうございました!)


 前と側でプラと洋白と、雨樋の素材を変えてみましたが、違和感なくまとめられました。これで、京阪特有の側面で持ち上がる雨樋もマスターできたかな。1700とか1800とか・・・夢が広がりました。
 上がり部分の傾斜は車番によって個体差があったので、それとなく差異を出しています。


 差異といえば屋根上配管も。理由は不明ですが、500形にはご覧の2種類の引き回しがあるらしい。いちおう写真とにらめっこして、車番と形態には矛盾がないはず。
 ちなみにこの形態差、更新時期や上下の向きは問わないようで。真相ご存知の方、ぜひご教示いただければ…。


 線材はいつもの構成。すなわち基本は0.4mmパイプで。ヒューズ箱はトレジャーの高級品、ベンチレーターはキッチンより。
 ランボードに潜る配管がいかにも京阪らしい。パンタは厳密には違うのですが、ポン付けできるGMのPT42でラクをしちゃいました。


 妻面。組み立てや塗り分けのために手すりは別体化。一つ穴の小田急用が使いやすいです。ホロは少し大きいですが、お手軽にGM旧国用を。配管の潜り具合も我ながらいい感じ。


 あまり走らせませんが、一応は繋げた感じを。いつも使うTNは胴受けが大袈裟なので、カトーかもめナックルをビスで床板に直付けしてみました。いい加減な間隔ですが、しっかり走れそうなのでオッケーですw 地方私鉄モノを中心に、今後はこの方式で行こうかな。


 まさにローカル線の雰囲気。
 
 1960年代初頭(保護棒やステップを取付けた地下線乗り入れ対策直後)がモデルなので、かろうじて2連運用も残っていましたが、もちろん目指すは各釣りかけ車併結の長編成。600から1500までを雑多に繋げる姿を夢見て…


 やはり製作の原動力は「アルバム」ですが、最初にも書いたとおり、その他資料の充実ぶりに本当に助けられました。もはや実物に触れることはできないぼくら世代ですが、カタチにすることには世代差なんて関係ないのです。


 やっぱり付けたいよね、カンバン。鉄コレのステッカーも馬鹿にはできません。やたらオーバーハングが長くてスカスカな前面下回りも、らしさを演出できました。
 あ、そうそう、色は黄緑6号+クリームと暗緑色+青系ですが、細かいところは忘れちゃいました…w 
 京阪に限らず、今後も同一塗装車を作っていくことを考えると、なるべく調色不要な塗料チョイスにしていきたいな…と思う今日このごろ。

 そこそこ有名な形式ですが、Nではあまり作例を見かけない500形。単純な形の車両ながら、雨樋を中心に意外と手応えのある工作の連続でした。本作を足がかりに、奥深い京阪旧型車コレクションはもちろん、奈良電や叡電といった京の雅な面々にも俄然興味が湧くもので。今から少しずつ資料やキットを確保しておこうかな。

 さて、次回の金属モノは関東方面と行ってみましょうか。